田原坂46

西南戦争を舞台にした小説。官軍側は犬養木堂、福地源一郎のレポート形式。

小説「13人を斬った元会津藩、抜刀隊士の謎」(3)

「幕府を守る為に戦ってもどうせ負ける。この国は薩長が乗っ取った」 けれど一方でこうも言う 「どうせ負けるなどと言うのは恥ずかしい。それでも命をかけてこそ武士ではないか」 どう生きたらいいのか。 どう生きれば正しいのか。 志とは何であり、武士とは…

小説「13人を斬った元会津藩、抜刀隊士の謎」(2)

京へ、…上った。 私はお里に用を頼みたいからと、わざわざ人目につかない神社で待っていてほしいと言った。本当は何の用事もない。 「何ですか?」ときょとんとされて、頭は真っ白になった。 好きです、惚れてます、妾に、いやずっとそばにいたい、 …言葉は…

小説「13人を斬った元会津藩、抜刀隊士の謎」(1)

戊辰の復讐? 会津人斬り警視の謎 「田原坂、警視隊に会津藩士の生き残りがいて戊辰の復讐を叫びながら残兵十三人を斬った。少々小説のような話だが決して虚説にあらず、この会津人は少々手負であった」 これは、明治十年三月二十五日の新聞に掲載された、犬…